【内容】
島や大陸が沈んだという伝承や創作は多く、また地震や津波の猛威は誰もが知るところである。だが、科学的に見て無理のない設定で、日本を世界の地図から消すような災害を想定することは果たして可能なのか?最新の地球科学の知見を元に、生命を育んできたこの惑星の歴史と構造を踏まえたフィクションの構築を試みる、火山国ニッポンにふさわしい知的エンターテインメント。
1億年を1年に換算して地球の歴史を概観したり、直径3.2mの地球を想定して地殻やマントルの構造を説明したりと、多少の学術用語はありつつも、わか りやすく楽しく”災害を起こすメカニズム”を解説し、”科学技術を育て時代を先取りする人材を育てる”SFへの愛を語っている本です。
以前に藤崎氏の『深海のパイロット』を 読んで、地震予知や大陸移動の研究には海底が大きな意味を持っていることは知っていました。限られた予算の中で懸命に基礎研究を続ける研究者や、かれらの 求める試料を採取するべく技術の粋を凝らした潜水艇を自在に駆使するパイロットの存在があるからこうした本も成立するわけで、経済活動に直接は結びつかな い地味な研究にも意義を認める国でありたいと改めて感じます。

